昨今、クラフトビールブームの中で特に注目を集めているのが「無濾過ビール」です。(ちなみにクラフトビールの80〜90%の液種が無濾過ビールと言っても過言ではないでしょう。)
一般的なビールとは一線を画す独特の風味や、酵母そのものの魅力を存分に味わえるこのビールは、ビール愛好家のみならず、新たな味覚体験を求めるすべての人々に支持されています。
本記事では、無濾過ビール(無濾過クラフトビール含む)の特徴や魅力、製造工程、さらには最適な飲み方まで、細部にわたり徹底解説していきます。
今話題のクラフトビールはなぜ無濾過?

昨今、よく聞くようになった「無濾過ビール」とはどんな特徴を持ったビールなのか? それを現役ブルワリーが解説していきます。
無濾過ビールは酵母を
濾過せず残したままのビール
無濾過ビールとは、その名の通り、ビール製造過程において通常は取り除かれる酵母や微細な固形分を濾過せずに瓶詰めする製法で作られるビールです。
ほとんどの無濾過クラフトビールでは、見た目をクリアにするために行われる濾過工程を省略することで、ビール内部に微生物や酵母がそのまま残り、アロマや味わいがしっかりとしている特徴があります。
これにより、無濾過クラフトビールは従来のビールにはない奥行きのある味わいを実現しているのです。酵母の存在がもたらす微妙な酸味や発酵の余韻が、飲むたびに変化する表情を生み出し、一度口にすれば忘れがたい印象を残します。
無濾過クラフトビールは
生のビール酵母にこだわったビール
無濾過クラフトビールは、酵母そのものの生きた力を最大限に活かすため、製造工程で添加される酵母を意図的に残す仕組みが採用されています。
生きた酵母は、発酵過程のみならず、瓶内での二次発酵や熟成の効果をもたらし、豊かなコクとフルーティーな香りを引き出す重要な要素となります。
生の酵母は、健康効果が期待できるビタミンやミネラルを含む場合もあり、単なる風味追求だけでなく、体に良いとされる成分もプラスされるため、健康志向・オーガニック嗜好の消費者にも人気が高まっています。
現に、大手からはビール酵母入りのサプリメントが発売され、胃腸の活動を活発にさせるなど健康に付与されることがわかっています。
無濾過クラフトビールにする理由は?
無濾過にする理由は多岐にわたります。まず第一に、濾過工程を省くことで、ビール本来の風味や個性を損なわず、原材料が持つ自然な旨味や酵母の持つ力をそのまま瓶内に閉じ込めることができます。
さらに、製造機器の面でも、濾過機材は高額なため、少量生産を行うクラフトブルワリーにとっては魅力的な方法です。
加えて、無濾過ならではのクラフトビールの美味しさや華やかさをを伝えたいブルワー自身のこだわりや、ビールの「生」らしさを追求する思いも背景にあります。
こうした理由から、無濾過ビールは伝統的な製法と現代のクラフトビール文化の融合として、多くのビールファンに支持されるに至っています。
無濾過クラフトビールは
普通のビールと味が違うって本当?

ここでは無濾過クラフトビールが一般的な大手製造のビールとの味や見た目の違いをピックアップして解説していきます。
コクが増し、フルーティな香りも楽しめる!
無濾過クラフトビールは、通常の濾過されたビールと比べて、格段に深いコクと多層的な香りを持っています。これは、発酵過程で残された酵母が、麦汁中の糖分を分解する際に生成する様々な副産物が、豊かな風味をもたらすためです。
また、濾過はフィルターを使うことが多く、良くも悪くも、香りがフィルターにて除去されてしまいます。そのため、大手ビールのように香りは少なくなります。
反対に、無濾過のクラフトビールにはフルーティな香りや軽い酸味、さらにはほのかなスパイスのニュアンスが感じられることもあり、飲むたびに新たな発見があります。
無濾過クラフトビールはその濃密な味わいにより、グラスに注いだ瞬間から口いっぱいに広がる複雑なフレーバーが魅力となっており、ビール通のみならず、味覚に敏感な方にも強く支持されています。
無濾過クラフトビールは見た目もユニーク
無濾過クラフトビールのもう一つの魅力は、その見た目にあります。通常のビールが透明でクリアな印象を与えるのに対し、無濾過クラフトビールは濾過されていないため、微細な酵母、タンパク質分や粒子が濁りや色合いを変化させ複雑な色合いを呈します。
グラスに注いだときに現れる微細な泡や、ビール内部で揺れる酵母の粒子は、視覚的にも楽しませてくれます。こうしたビジュアル的な魅力は、インスタグラムなどSNS上でのシェアにも最適であり、見た目にこだわる若い世代や、ビールのストーリー性を重視するファン層にも大変人気です。
無濾過クラフトビールは
こんな人におすすめ!

無濾過クラフトビールの特徴などは上記の通り。ここからは無濾過クラフトビールはどんなビールが好きな人におすすめなのかを解説していきます。
味わい深いこだわりのビールが好きな人
無濾過クラフトビールは、伝統的なビール製造法に対してもひとひねり加えた独自の製法を採用しており、その結果、非常に味わい深く、個性的なビールが出来上がります。
一般的な大手製造のビールに比べて、しっかりとしたコクや深い香りを持っているため、味にこだわるビール愛好家にはもちろん、さまざまな風味の変化を楽しみたいという冒険心を持つ人々にぴったりです。
特に、ブルワリーごとの違いや、製造過程で生じる微妙な風味の変化に敏感な方は、無濾過クラフトビールの世界に魅了されることでしょう。
香り豊かなビールが好きな人
発酵過程で生成される香り成分がそのまま残っている無濾過クラフトビールは、フルーティで芳醇な香りが特徴です。
通常のビールでは感じられない、ホップのフルーティーな香りや酵母の果実香、スパイシーな香りのニュアンスが、グラスから立ち昇る香りとして広がります。
香りに敏感なビールファンにとって、これは大きな魅力です。また、香りと味わいが一体となって複雑なビール体験を生み出すため、嗅覚と味覚の両方でビールの魅力を存分に楽しむことができます。
クラフトビールを楽しみながら健康にも配慮したい人
無濾過ビールは、酵母が生きたまま残っているため、微量栄養素や発酵由来の健康成分が含まれている場合があります。
これにより、単に味わい深いだけでなく、体に良い影響を与える可能性が指摘されているのです。 もちろん、アルコール摂取の過剰は避けるべきですが、適量を楽しむことで、発酵食品同様の健康効果を期待できる点も、健康志向のビールファンにとって魅力的な要素となっています。
代表的な無濾過クラフトビールは
どんなものがある?

ここではRepubrewで定番人気の無濾過クラフトビールをご紹介します。
沼津 Hazy IPA

水質にとことんこだわり抜いたRepubrewの定番Hazy IPA。 このHazy IPAはRepubrew風にアレンジをしており、イーストのエステル香は高めです。
滑らかなオーツ麦の口当たり、一般的なHazy スタイルより、少しだけドライになるように仕上げました。 グァバのようなトロピカルリッチ×シトラスのアロマも特徴的です。
CAMPai HAZY

モルトの軽いコクとオーツのなめらかな口当たり、4種類のホップをブレンドしたRepubrewと「伊豆ぬし釣り」のコラボビールです。
この製法によって十分に活きたウッディ&ココナッツ&トロピカルなフレーバーとアロマが特徴。 アルコールは7%と少し高めですが、それを全く感じさせないスムーズな悪魔的飲み心地で、キャンプやレジャーのおともにおすすめです!
こだわりたっぷりの
ビールを楽しむならRepubrew!

せっかくクラフトビールを飲むなら、こだわりがたっぷり詰まった一杯がいいですよね?
私たちRepubrewは「ないものを作り、新しい発見を届ける。」をモットーに、こだわりの原材料を駆使して、王道のIPAから一風変わったテイストのビールまで幅広く取り揃えています。
きっとあなたの好みのビールが見つかるのでは?
無濾過クラフトビールを
おいしく飲む2つのポイント

無濾過クラフトビールを購入したのなら美味しく飲みたいですよね? ここでは無濾過クラフトビールを一番美味しくいただくコツをお教えします!
5℃前後の温度で冷蔵する
無濾過クラフトビールの美味しさを最大限に引き出すためには、適切な温度管理が不可欠です。基本的には、5℃前後の冷蔵温度が理想とされ、低すぎず高すぎない温度で保管することがポイントとなります
この温度帯は、酵母が活動を抑えながらも、ビール本来の風味を損なわずに保存できる最適な条件とされ、冷蔵庫に入れる前に温度が安定しているかを確認することが大切です。
適温で冷やすことにより、グラスに注いだときの泡立ちや、香りのバランスが保たれ、まさに至福の一杯を楽しむことができます。
早めに飲み切る
無濾過クラフトビールは、酵母や微生物がそのまま瓶内に存在するため、通常のビールよりも賞味期限が短い傾向にあります。
製造後、時間の経過とともに風味が変化するため、購入後はできるだけ早く飲み切ることが望まれます。 特に開封後は、酸化や酵母の活動により味わいが急速に変化することから、保存方法にも十分注意が必要です。
新鮮なうちに飲むことで、酵母が生み出すフルーティーな香りとコクをそのまま楽しむことができ、ビール本来の魅力を最大限に感じることができるでしょう。
無濾過クラフトビールの製造方法

ここまで無濾過ビール(無濾過クラフトビール)の特徴や魅力について解説してきました。その中で「無濾過ビールってどうやって作っているのだろう?」と気になった方も少ないはず。
ここではそんな気になる無濾過ビールの作り方を紹介していきます。
①製麦
無濾過クラフトビールの製造は、まず原料となる麦の選定から始まります。製麦工程では、厳選された大麦を丁寧に挽き、発酵に適した麦芽へと変化させる作業が行われます。
ここでの工程は、後の風味に大きく影響を与えるため、非常に重要なプロセスとなっています。無濾過ビールの場合、酵母や微生物との相互作用が期待されるため、麦の品質や焙煎度合いにも細心の注意が払われます。
②仕込み
次に、製麦された麦芽と水を組み合わせ、糖分を抽出する仕込み工程に入ります。この段階で、麦汁と呼ばれる液体が作られ、ここにホップなどの香り付けの原料も加えられます。
温度や時間の管理が厳格に行われ、理想的な糖化が進むことで、ビールのベースとなる風味が形成されます。無濾過ビールの場合、仕込み時の管理が、後に酵母とのバランスを保つ上で重要な役割を果たします。
③発酵
仕込み工程で作られた麦汁に、選定された生きた酵母を加え、発酵を開始します。発酵タンク内で酵母が糖分をアルコールと二酸化炭素に変換する過程で、さまざまな副産物が生成され、ビール特有の風味や香りが生まれます。
無濾過クラフトビールはこの工程において、酵母をあえて取り除かずにそのまま残すため、発酵が進むにつれて微妙な味わいの変化が生じ、後の熟成でさらに深みを増していきます。
④熟成
発酵が一段落した後、ビールは一定期間熟成されます。この熟成期間において、酵母やその他の成分が相互に作用し合い、風味が丸く整えられ、深みとコクが増していきます。
無濾過クラフトビールは、熟成中も瓶内に生きた酵母が存在するため、時間の経過とともに独自の味わいや香りが発展していくのが特徴です。
ブルワーたちはこの過程に細心の注意を払い、最適なタイミングで次の工程に進むことで、最高の一杯を仕上げています。
⑤充填
最終工程である充填では、熟成が完了したビールを瓶や缶に詰めます。 無濾過クラフトビールの場合、充填後も瓶内で酵母が微量ながら活動を続けるため、二次発酵が起こる可能性があります。
そのため、充填後の保管方法や消費期限には一層の注意が必要です。ブルワリーは、適切な充填技術と密閉管理によって、ビールの鮮度と風味を保持するよう努めています。
無濾過クラフトビールは
生ビールの一種なの?
無濾過クラフトビールは、その製造過程において加熱処理や濾過工程を行わず、原材料の自然な力を最大限に活かす点で、「生ビール」と呼ばれるカテゴリーに分類されることが多いです。
生ビールとは、熱処理によって殺菌処理を施さず、発酵時に生成された酵母や微生物の持つ魅力をそのまま楽しむビールのことであり、無濾過ビールはその代表的な存在と言えます。
ビール本来のフレッシュな味わいや、微生物の持つ独特の風味を求めるファンにとって、無濾過ビールはまさに理想の一杯として位置づけられています。
無濾過クラフトビールの
賞味期限・保管方法には注意
無濾過クラフトビールは、酵母が生きた状態で瓶内に残っているため、通常のビールに比べて賞味期限が短いのが特徴です。
開封前であっても、一定期間を過ぎると味わいに変化が現れ、フレッシュな風味が損なわれる可能性があります。さらに、充填後も微生物の働きが続くため、保存環境が非常に重要です。
直射日光を避け、適温で管理することで、できるだけ本来の美味しさを保つ工夫が必要となります。消費者は、購入後は早めに楽しむこと、また開封後は冷蔵状態で迅速に飲み切ることを心がける必要があります。
まとめ
今回の記事では、注目度急上昇中の無濾過クラフトビールについて、その特徴や魅力、そして製造工程や最適な飲み方に至るまで、細部にわたりご紹介してきました。
無濾過クラフトビールは、濾過されずに生きた酵母を残すことで、独自の深いコクと芳醇な香り、さらには視覚的にもユニークな魅力を放っています。
クラフトビールの世界では、伝統的な製法と現代的な技術が融合し、一杯一杯にブルワーのこだわりや情熱が注がれていることが実感できます
Repubrewでは、こだわりの原材料をふんだんに使用した個性豊かなビールを数多くラインナップしています。
クラフトビール初心者の方から玄人まで、きっと満足できること間違いなし!
ぜひ、一度公式サイトを覗いてみませんか?