ビールファンの間で近年ますます注目を集めている「ドラフトビール」と「クラフトビール」。 今回はドラフトビールを軸に、本記事では両者の定義や違い、楽しみ方を徹底解説します。
日本国内で「生ビール」と呼ばれるドラフトビールは、工場出荷後の熱処理を行わないフレッシュさが魅力。 一方クラフトビールは、小規模醸造所ならではの個性豊かな味わいを追求したビールです。 これらを区別し、正しく理解すれば、もっと深くビール文化を楽しむことができます。
ドラフトビールとは?
日本では「熱処理していないビール」のこと

ドラフトビール(draft beer)は日本語で「樽生(たるなま)ビール」を指し、一般的には樽から注がれたビールの事を指します。ですが、日本では生ビールとしばし混同されます。
生ビールは、一般的にブルワリーでつくられたビールを一度もパスツリゼーション(低温加熱殺菌)せず、“そのまま”樽に詰めて製品化したビールを生ビールといいます。
熱による鮮度を損なわないため、麦芽やホップの香り、酵母の生きた味わいをストレートに楽しむことができるのが最大の特徴です。
現代ではフィルター濾過によって酵母を取り除き、熱による鮮度を損なわないまま、酵母を抜き取り、酵母がない状態にすることもできます。 その場合でも生ビールと呼ばれますので、缶も瓶も樽も全てが生ビールになるのが、今では一般的です。
日本における「生ビール」の呼称について
酵母があることによって劣化してしまうことがわかり、パスツリゼーション(低温加熱処理)を行って酵母菌を死滅させてきた歴史があります。
それによって、酵母がある”生のビール”と”熱処理をした酵母がない”ビールとし区別されてきました。
現代でも使われる技法ではありますが、今ではフィルター処理をして酵母を抜き取ることが多く、”熱処理をせずに酵母がないビール”ができる様になり、”熱処理してない”=生ビールと言えるとなった背景から、酵母がある、ないにかかわらず、「生ビール」の名称が使える様になりました。
賞味期限と管理について
低温加熱処理やフィルター濾過をしていないビール(無濾過ビール)に関しては、賞味期限は短め(樽開封後は数週間程度)で、適切な温度管理(4〜8℃程度)が必須となります。ほとんどのクラフトビール会社の作るビールはこれになります。
海外でのドラフトビールの定義
- 「Draft Beer」の語源:英語圏では「draft(draught)」は元々「引き出す」「注ぐ」を意味し、樽から直接タップ(注ぎ口)を通して提供される生ビール全般を指します。
- 加熱処理の有無とは無関係:英語圏や海外では、ビールが完成し、樽詰めしたものを「draft」と呼ぶ一方、菌を殺さず、瓶や缶で熟成を促すことを「bottle-conditioned beer」などいい、区別する場合も。日本では上述した通り、生ビール=ドラフトビールという誤認が多く、海外では、ドラフトビール=樽から継がれるビール。という認識のため、熱処理したか、してないかは関係がありません。
- 樽詰めシステムと流通構造:地域のパブやタップルームでは多種多様なドラフトビールが楽しめる反面、賞味期限管理や樽交換コストなどのハードルも存在します。
クラフトビールとドラフトビールは違うの?

「ドラフトビール」「クラフトビール」とだけ聞くと混同しがちですが、両者は定義も目的も異なるビールカテゴリーです。
クラフトビールの特徴
- 小規模生産:醸造量や従業員数が限られた独立系醸造所でつくられ、年間生産量が一定以下(日本では概ね6,000キリリットル未満)と定義される場合が多い。 一般的にクラフトビールは酵母が存在するビールがほとんど。それはフレッシュな味わいをお客様に届ける範囲でしか作らない規模なためです。
- 自由な個性と高い実験性:ホップの品種や副原料、酵母の使い分けなどで、果実やスパイス、ハーブなどを活かした独創的なフレーバーを追求。
- 地域性の重視:地元の気候や風土、農産物を活かしたレシピ開発による「地域らしさ」を売りにするブルワリーも多い。
- クラフトビールのドラフトビール:クラフトビールも樽生でタップルームやパブで提供されます。そのため、クラフトビールでもドラフトビールは大いに存在します。
ドラフトビールの特徴
- 大量流通向けのフレッシュ感:大手メーカーが工場ラインで大量生産し、各地の居酒屋やビアホールに安定供給。パブやレストランでの、樽ビール。こちらは加熱処理してあっても非加熱処理のビールでも樽からグラスに注がれたビールはドラフトビールと呼ばれます。
- 標準的な味わい:味のブレを最小限にし、幅広い層に受け入れられるようバランス重視のレシピで設計されている。パブやレストランで注がれるドラフトビールは炭酸ガス濃度が適正で缶に比べて品質もしっかりしています。 樽の温度管理の状態も徹底されているところもあり、品質の差を実感できます。
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ドラフトビールの楽しみ方とは?

ドラフトビールは「鮮度」と「香り」を最大限に楽しめるスタイルです。ここでは、どこで、どのように味わえばより深く満喫できるかをご紹介します。
ドラフトビールはどこで飲める?
- 居酒屋・ビアホール:安定供給が可能な大手メーカーのドラフトビールは、全国の居酒屋チェーンやビアホールで提供されています。
- クラフトビアバー:大手ドラフトと並んで、クラフトドラフトを複数タップで楽しめる専門店も増加中。
- ビアガーデン・イベント:夏季限定のビアガーデンやビールフェスティバルでは、フレッシュなドラフトビールが勢揃い。
- 醸造所の直営タップルーム:自社醸造のドラフトビールを直送し、製造から注ぎまで一貫して体験できるスポットも貴重な体験に。
ドラフトビールの魅力
- フレッシュなアロマを堪能:タップから注がれた瞬間のホップや麦芽の香りをグラスの縁からダイレクトに感じられます。
- 温度管理の妙:適切な温度(4〜8℃)で提供されることで、ビール本来の味わいが際立ちます。
- クリーミーな泡:細かく滑らかな泡がビールを香り立たせると同時に、口当たりを柔らかくし、喉越しを引き立てます。
- 飲み比べの楽しさ:同じ銘柄でもタップや樽の状態によって微妙に変化するニュアンスを感じ取りながら、味わいの違いを楽しむことができます。
- 現地感の演出:タップが並ぶ光景やスタッフの注ぎ入れ作法など、ビアバーならではの雰囲気も含めてビール文化を体感できます。
まとめ
本記事では「ドラフトビール」をテーマに、ドラフトビールの定義からクラフトビール工場でのビールの作り方の違い、楽しみ方まで解説しました。
日本では、「生ビール」と呼ばれるビールは「ドラフトビール」と勘違いされやすく、缶も樽も「生ビール」であり、ドラフトビールでの品質の違いを楽しめると思います。
クラフトビールは小規模醸造所ならではの品質や実験性が魅力でドラフトと缶との違いを楽しんでもらえたらと思います 。
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