今さら聞けないビールの種類まとめ!これを読めばエールとラガーの違い、スタウトと黒ビールについてなど、ビールの疑問が全て解決します

世界中のビールの種類を徹底ガイド!ラガーvsエールの発酵方法の違いや、ピルスナーやIPAなどの代表的な12のビアスタイルの味わい比較、日本の酒税区分によるビール・発泡酒・第3のビールの境界線など初心者も好みが分かる選び方まで網羅。 さらに保存方法や料理ペアリングのコツ、FAQで疑問を解決します。

目次

ビールの種類は大きく2系統ある
それがラガーとエール

ビールの世界を理解する第一歩は、発酵方法で大きく二分される「ラガー」と「エール」を把握することです。 一般的に日本の大手ビールメーカーが展開する主力商品はラガー系で、キレのあるのど越しが特徴です。

一方、クラフトビールシーンで人気が高いIPAやペールエールはエール系で、豊かな香りとコクを楽しめます。

ラガー(下面発酵)とは?特徴と代表的な銘柄

ラガーは5〜13℃の低温で発酵させる下面発酵ビールです。低温発酵により酵母由来のフルーティーさやスパイシーさが抑えられ、麦芽の甘みとホップの苦味がクリアに感じられます。

日本では「キリン一番搾り」や「アサヒスーパードライ」などが典型で、のど越し重視の味設計が支持されています。 低温管理と長期熟成(ラガリング)の工程が必要なため製造コストは高めですが、安定した品質と鮮度保持の高さから世界的に主流のビールスタイルとなりました。

ピルスナー/メルツェンなどラガー系ビアスタイル一覧

  • ピルスナー:チェコ発祥。黄金色と爽快な苦味で世界標準のビアスタイル。
  • メルツェン:オクトーバーフェストで提供される琥珀色のラガー。麦芽の甘みがしっかり。
  • デュンケル:ローストモルト由来の褐色とカラメル香が特徴。
  • ボック:アルコール度数6〜7%と高めでコク深い冬向きビール。
  • シュヴァルツ:ドイツ語で「黒」を意味し、見た目は黒でも後味は驚くほど軽快。
  • ケルシュ:発酵はエール酵母、熟成はラガー製法というハイブリッドで、フレッシュ感が魅力。

エール(上面発酵)とは?特徴と代表銘柄

エールは15〜25℃の常温に近い温度帯で短期間発酵させる上面発酵ビールです。酵母が発酵中に浮上し、エステル由来のフルーティーな香りやスパイシーなフレーバーが生まれます。

ベルギーや英国で発展し、クラフトビール革命以降はアメリカ西海岸スタイルが世界のトレンドをリードしています。 香り豊かなアロマホップを大量に使うIPA、柑橘系のアメリカンペールエール、濃厚な焙煎香のスタウトなど多様性が魅力です。

IPA/ペールエールなどエール系ビアスタイル一覧

  • IPA(インディア・ペールエール):強い苦味と柑橘・トロピカルホップの香りでクラフト界の主役。
  • アメリカンペールエール:IPAより苦味控えめ、モルトとホップのバランス良好。
  • スタウト:焙煎モルトによるチョコレートやコーヒーのような香味。ギネスが有名。
  • ポーター:スタウトの祖先ともいわれる英国産ビール。ほんのりスモーキー。
  • ベルジャンホワイト:小麦由来のまろやかさとコリアンダーやオレンジピールの爽やかさ。
  • サワーエール:乳酸菌や野生酵母で酸味を付与した挑戦的スタイル。

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日本でのビールの種類別区分と酒税法のについて

日本の酒税法では麦芽比率と副原料の種類・量によって「ビール」「発泡酒」「新ジャンル(第3のビール)」に分けられます。

麦芽比率50%以上で副原料の制限内に収まるものが「ビール」。麦芽比率が低い、または果実・香辛料など制限外副原料を使用すると「発泡酒」。アルコールを含む別原料(大豆ペプチドやスピリッツ)を後から加えると新ジャンルに分類されます。

課税区分が異なるため価格帯が分かれ、消費者は味とコストのバランスを選択できます。

2026年10月には酒税率が再改定予定で、価格の逆転現象が起きる可能性もあるため動向を注視しましょう。

ビール・発泡酒・第3のビールの具体的な違いとは?

  • ビール:麦芽50%以上、副原料は米・コーン・スターチ・糖類等を麦芽重量の50%以下まで使用可。
  • 発泡酒:①麦芽比率50%未満、②ビール定義外副原料を使用、③麦芽50%以上でも特定原料使用時は区分外。
  • 第3のビール:発泡酒に麦芽以外の蒸留酒を混ぜる「リキュールタイプ」と、麦芽ゼロで大豆や小麦を主原料に発酵させる「その他醸造酒」がある。

「クラフトビール」と「生ビール」の定義も押さえよう

  • クラフトビール:法律上の定義はなく、一般には小規模醸造所が多様なスタイルを少量生産するビールを指します。品質や独創性で差別化されており、輸入クラフトも人気です。
  • 生ビール:熱処理(パストリゼーション)を行わず、フィルターや急速加熱で酵母を除去・失活させたビール。缶や瓶でも「生」と表記でき、ほぼすべての国産大手商品が該当します。

代表的なビアスタイル12種類の早見表

ビール初心者が「ビールの種類」を把握する近道は、代表スタイルを一覧で比較することです。

苦味・甘み・香り・色合いを横並びで見ると、自分の好みが見えやすくなります。

ここではラガー系6種、エール系6種をピックアップし、飲み比べの際に注目すべきポイントをまとめました。

キレ味重視のラガースタイル6選

ラガースタイルは全体的にライトボディで、のど越しと爽快感が魅力です。ピルスナーはホップの苦味とモルトの甘みのバランスが優れ、メルツェンはモルティな香ばしさ、デュンケルはローストのコクが際立ちます。

ボックはアルコール度数が高く、冬場に体を温めるビールとして重宝され、シュヴァルツは見た目に反して軽快な飲み口で料理との汎用性が高いです。ケルシュは白ワインのようなフルーティーさがあり、和食との相性も良好です。

ピルスナー/メルツェン/デュンケル/ボック/シュヴァルツ/ケルシュ

  • ピルスナー:IBU(苦味指標)25〜45、SRM(色)2〜4、アルコール4.5〜5.0%。
  • メルツェン:IBU20〜25、SRM7〜15、アルコール5.5〜6.0%。
  • デュンケル:IBU18〜25、SRM17〜30、アルコール4.5〜5.6%。
  • ボック:IBU20〜30、SRM14〜22、アルコール6.3〜7.2%。
  • シュヴァルツ:IBU22〜32、SRM19〜30、アルコール4.4〜5.4%。
  • ケルシュ:IBU20〜30、SRM3〜5、アルコール4.8〜5.3%。

香り豊かなエールスタイル6選

IPAはガツンとくる苦味とトロピカルホップの香りで、ペールエールはバランス型として人気。

スタウトやポーターは焙煎モルトの深さが寒い季節に最適で、ベルジャンホワイトは小麦由来の柔らかな口当たりとスパイス香が暑い夏に爽快感を与えます。 酸味が特徴のサワーエールは食前酒やフルーツデザートと好相性です。

IPA/ペールエール/スタウト/ポーター/ベルジャンホワイト/サワーエール

  • IPA:IBU40〜70、SRM6〜14、アルコール6.0〜7.5%。
  • アメリカンペールエール:IBU30〜50、SRM5〜10、アルコール5.0〜6.0%。
  • スタウト:IBU30〜60、SRM30〜40、アルコール4.5〜6.0%。
  • ポーター:IBU18〜35、SRM22〜35、アルコール4.0〜5.4%。
  • ベルジャンホワイト:IBU10〜20、SRM2〜4、アルコール4.5〜5.5%。
  • サワーエール:IBU5〜15、SRM3〜7、アルコール3.5〜5.0%。

ビール種類別の味わいを頭に入れると選び方がわかる!

ビール選びで迷ったら、味わいを「苦味」と「コク(ボディ)」の2軸で整理してみましょう。

縦軸に苦味、横軸にボディを置くと、ライトボディかつ苦味が弱いベルジャンホワイトは右下、ヘヴィボディで苦味が強いダブルIPAは左上に位置します。

ピルスナーはやや苦味寄りの中央、スタウトは苦味中程度でボディが重い左側中段に来ます。

この図を頭に入れておくと、飲食店や酒販店で想定外の銘柄に出会った際でも味の方向性を推測しやすくなります。

苦味×コクのチャートで自分好みを見つける

苦味が苦手な人は下側、重たいビールが好きな人は下ではなく右側を選ぶと満足度が高いです。 逆にIPA愛好家は上側に位置するビールを攻めると新たなお気に入りが見つかるでしょう。

料理ペアリング別おすすめビールの種類別リスト

  • 和食(寿司・天ぷら):ケルシュ、ベルジャンホワイト。
  • 肉料理(ステーキ・グリル):IPA、ボック。
  • チーズ&シャルキュトリー:スタウト、ポーター。
  • スパイシーな料理(カレー・メキシカン):ペールエール、サワーエール。
  • デザート(チョコレートケーキ・アイスクリーム):ミルクスタウト、バニラポーター。

ビールの種類に関するよくある質問(FAQ)

ビール初心者から上級者までが抱きやすい疑問をQ&A形式でまとめました。

「黒ビール」と「スタウト」は同じ種類?

「黒ビール」という言葉は色調を示す口語表現で、スタウトやシュヴァルツ、バルティックポーターなど褐色〜漆黒のビール全般を指します。

スタウトは黒ビールの一種で、ローストモルトを大量に使用し、苦味とコーヒーやダークチョコを思わせる芳香が特徴です。

つまり黒ビール=スタウトではなく、 黒ビールというカテゴリの中にスタウトが存在しているという関係です。

ビールの種類と保存方法について

ラガーもエールも基本は冷蔵保存が推奨ですが、酸化や日光による劣化速度はスタイルによって異なります。 ホップ香が命のIPAは低温かつ遮光条件で1〜2か月以内に飲むのがベスト。

スタウトやバーレイワインなどアルコール度数が高く酸化耐性のあるビールは、あえて常温で熟成させる「エイジング」も楽しめます。

ただし温度変化が激しい場所は避け、15℃前後で一定に保つのが理想です。

まとめ

この記事では発酵方法の違いからビール・発泡酒・第3のビール区分、代表的なビアスタイル12種の味わい比較、苦味×コクのチャートでの選び方、料理との相性などを解説してきました。

次の一本選びが楽しくなること間違いなしなのでぜひ様々なビールにトライしてみてください。 R

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