ビールと発泡酒は「見た目が似ている炭酸の麦のお酒」という共通点がある一方で、法律上の定義、原料の配合、味わい、そして価格に影響する酒税の扱いが異なります。
さらに近年は制度改正が段階的に進み、かつて「第3のビール」と呼ばれたカテゴリーの位置づけも再整理されました。
本記事では「ビールと発泡酒の違い」を徹底解説していきます。
結論:違いは“原料と麦芽比率”+税制の設計
味は配合と製法が左右する

端的に言うと、ビールと発泡酒の決定的な違いは「麦芽の使用割合」と「使える副原料の範囲」です。
一般にビールは麦芽比率が高く、副原料の範囲内でホップや果物・スパイスなどを活用できます。発泡酒は麦芽比率が50%未満、あるいはビールで認められない原料配合で造られる「ビール風味」の発泡性酒類です。
味わいは麦芽の量と製法に強く影響され、コク・香り・余韻はビールが厚くなりやすい一方、発泡酒は軽快さやドライ感で支持を得てきました。
価格は酒税の設計に大きく左右されてきましたが、税率は段階的に見直され、令和8年10月にビール系飲料の税率が収れんする設計です。
結果として「安いから第3(新ジャンル)」といった単純な図式は弱まりつつあり、今後は味・飲用シーンでの選択がより重要になります。
定義の基礎
ビール・発泡酒・(旧)第3のビールの制度的な線引き

日本の酒税法では、ビールは「麦芽を主原料とした発泡性の酒」で、麦芽比率が一定以上であること、かつ使用可能な副原料が定められています。
2018年にはビールの定義が見直され、麦芽比率の緩和と副原料の拡大が行われ、コリアンダーや果実などを使った多様なスタイルが「ビール」と表示できるようになりました。
これにより、従来は発泡酒と分類されていた一部のクラフトスタイルがビールとして流通できるようになり、表示と実態のギャップが縮まりました。
発泡酒と第3のビールは別物?同じ?
発泡酒は、麦芽比率がビールの基準に満たない、またはビールでは認められない原材料・配合で造られた発泡性酒類です。低麦芽~無麦芽で軽やかな飲み口を狙うものや、代替穀類・豆類などを用いてコストと味のバランスを取る設計が見られます。
第3のビールの定義
かつて「第3のビール」「新ジャンル」と呼ばれた製品群は、
- 発泡酒にスピリッツなどを加えたもの
- 麦芽の代わりに豆類などを主体にしたもの
という二系統が中心でした。制度の見直しを経て、この領域は発泡酒の枠組みの中に整理され、事実上「発泡酒の一部(発泡酒②などの区分)」として扱われています。店頭コミュニケーション上の表現は残る場合があるものの、制度的には「発泡酒」という理解で差し支えありません。
350種類以上醸造!
Repubrewなら幅広いビールを味わえる!

ビールの基本を丁寧に積み重ねたからこそできる、冒険的で自由なスタイル、他にはない個性的なビール達が勢揃いしています。 「ないものを作り、新しい発見を届ける。」をモットーに、こだわりの原材料を駆使して、フレッシュなラガーから濃厚なIPAまで幅広く取り揃えております。
特にブルワリーを代表するラガービール「本生」は、その軽やかな飲みやすいフレーバーでビールが苦手な方にも「こんなに飲みやすいのと思わなかった、ビールを初めて美味しく感じた!」とご好評の声をいただいております。
なぜ法改正が進んだのか?
表示の妥当性と市場の実態に合わせたアップデート

背景には、
- 消費者が期待する「ビールの多様性」と法令表示のずれ
- 市場競争のなかで生まれた「価格主導のカテゴリー差」
2010年代以降、国内でもクラフトブリューイングが浸透し、ホップの多様な使い方や副原料の創意工夫が一般化しました。
国際的にはビールでも日本では発泡酒扱いされるケースも
その一方で、制度上の「副原料の範囲」が狭いと、国際的に“ビール”と認められるスタイルが国内では「発泡酒」と表示される不整合が生まれます。
表示の正確さと国際整合性を高めるため、ビール定義の緩和は合理的でした。 また、税率を複数段階に分けて価格差を作る方式は、カテゴリー間の“擬似的な格差”を生み、味より価格で選ばれる傾向を強めてきました。
段階的な税率見直しは、カテゴリー間の歪みを是正し、品質と嗜好で選ぶ市場へと近づける狙いがあります。
また、国家予算の中にある酒税の税収でビールが一番多くある一方、発泡酒や第三のビールは国の税収を下げる一つの要因であったこともあります。
味・香り・ボディの違い
「どっちが美味しい?」の答え

美味しさは主観的であり、同カテゴリー内でも銘柄差が大きい 、これが前提です。
ビール(ペールラガー系)の特徴
そのうえで一般論を述べると、ビールは麦芽由来のコクと甘み、ホップ由来の香りと苦味、酵母由来のエステル香などが重なり、味わいの層が厚く出やすいのが強みです。
ペールラガー系でもしっかりした麦の芯があり、エール系になるとエール酵母のエステル香からフルーティーな香りやモルトの複雑さが強調されます。
発泡酒の特徴
発泡酒(および整理後の発泡酒②に相当する新ジャンル)は、設計思想として「軽快・ドライ・クリスプ」を志向しやすく、後味の切れや飲み続けやすさが魅力です。
冷蔵庫から取り出してすぐにゴクゴクいける爽快感、油脂の多い料理でも口中をリセットしてくれる清涼感は、日常飲用において明確な価値になります。
「どっちが美味しい?」という問いには、次のように答えると実用的です。濃い味の料理や香りの余韻を楽しみたいとき、1杯で満足感を得たいときはビール。
軽やかに本数を飲み分けたい日や、喉の渇きを素早く癒したいとき、あるいは味の主張を控えたいときは発泡酒。両者は代替ではなく、シーンで共存します。
価格と税率の考え方
“安いから第3”の時代から、味で選ぶ時代へ

かつては税率の差が小売価格へ直接反映され、「新ジャンル=安い」というシンプルな図式が成り立ちやすい状況でした。しかし制度は段階的に見直され、ビールの税率引き下げと新ジャンル側の引き上げによって、最終的にビール系飲料の税率がそろう設計です。
つまり、価格差は構造的に縮小方向であり、メーカーごとの原価・戦略・販路によって個別の価格差は残るものの、カテゴリーだけで価格優位が固定化する時代ではなくなってきています。
この変化は消費者にとって「カテゴリーより銘柄を試す意義が増す」ことを意味します。価格に極端な段差がないなら、ボディ感が欲しい日はビール、軽快さが欲しい日は発泡酒というように、冷蔵庫内を“使い分け前提”で設計する楽しみが広がります。
麦芽とホップがもたらす差
麦芽は味の骨格と甘み、泡持ちを司り、使用量が増えるほどボディは厚くなります。ホップは苦味だけでなく、近年はアロマホップやドライホッピングで柑橘・トロピカル・樹脂・ハーブ様などの香りを付与し、香味の立体感を作ります。
副原料の効果
副原料(米、コーン、糖類、果実、スパイスなど)は、軽やかさを付与したり、香りの個性を伸ばしたり、泡や色味に影響したりと、狙いに応じて用いられます。
キンと冷やすことで清涼感が際立ちます。結果として、食卓の日常使いでは「冷たさ×軽さ」の満足度が高く、揚げ物やスナックとも相性が良好です。
「第3のビール(新ジャンル)」は今どうなっている?
表記と実態のギャップを整理

「第3のビール」は便宜的なマーケティング用語として長く使われましたが、制度上は発泡酒の一部として扱われるよう整理されました。
店頭や広告で「新ジャンル」という言葉が残る場合があるため、消費者の体験としては“第3”のイメージが継続しているかもしれません。
ビールのジャンル判断のコツは?
判断のコツは、缶・ラベルの品目表示と原材料表示を見ることです。品目が「発泡酒」で、原材料に麦芽以外の穀類・豆類やスピリッツ等の記載があれば、それは制度上、発泡酒カテゴリーに含まれる製品と理解できます。
重要なのは、制度整理=味の画一化を意味しない点です。各社は原料・酵母・ろ過や熟成、ガスボリュームの設計などでキャラクターを差別化しており、軽快系でも香りを立てたり、泡質を改善したり、食中適性を高めたりと“美味しさ”の方向性は広がっています。
シーン別・実用的な選び方
「どっちが美味しい?」に迷ったら

日常の食卓:揚げ物、塩味の強いおつまみ、ピザなど油脂や塩分の強い料理には、冷たくキレの良い発泡酒が快適です。脂を洗い流すような軽さと炭酸の刺激が、次のひと口を呼び込みます。
- じっくり一杯:ステーキ、煮込み、チーズなど素材の旨味や香りを楽しむ料理には、麦芽の厚みとホップ香が出るビールが映えます。温度が上がるにつれて香りが開き、グラスの中で表情が変わるのも楽しみの一つです。
- 宅飲みのバリエーション:週末はビール、平日は発泡酒、特別なときはクラフトビールという使い分けも定番です。税制の収れんで価格の段差が縮まるぶん、銘柄の個性やスタイル(ラガー/エール、ホップ香の強弱)を軸にローテーションを設計すると満足度が上がります。
- はじめての人へ:同じメーカーの“対になる”銘柄(ビール版と発泡酒版)を飲み比べると、麦芽量と設計の違いが直感的にわかります。香り→味の厚み→後味の順番でメモを取り、「自分にとっての美味しさ」を言語化すると選びやすくなります。
健康・栄養・カロリーの考え方
“軽い=低カロリー”に思えるが銘柄差が大きい

発泡酒は軽い飲み口ゆえに「カロリーも低い」と想像されがちですが、実際には各社の設計で差があります。糖質オフや機能性表示食品など、目的別に最適化したラインも存在します。
健康面での選択では、カテゴリーの一般論よりも、缶に記載された栄養成分(エネルギー・糖質)を確認する習慣が有効です。
なお、飲酒量そのものがエネルギー摂取と睡眠・体調に影響する点はカテゴリーを超えた共通の注意点です。飲むペースを可視化し、水を併用して総量をコントロールすると、翌日の体感が大きく変わります。
ラベルの読み方
品目表示・原材料・アルコール度数・賞味期限
品目表示(ビール/発泡酒)は制度上の分類を示します。原材料名は味の方向性のヒントで、麦芽・ホップに加え、米・コーン・糖類・果実・スパイスなどの記載があれば、軽さや香りの個性を狙っていると推測できます。
アルコール度数はボディ感と飲み口に直結し、同じカテゴリーでも4%台は軽快、5%台は標準、6%以上はしっかりと感じられるのが一般的です。
賞味期限は香りの鮮度に影響します。特にホップ香を売りにする製品は、できるだけ新しいロットを選ぶと良いでしょう。
まとめ|“カテゴリーで指名買い”から“目的で選ぶ”へ
ビールと発泡酒の違いは、第一に原料と麦芽比率、第二に制度・税制の設計です。かつて価格差で選ばれがちだった構図は、税率の収れんで相対的に弱まり、今後はより純粋に「味・香り・飲用シーン」で選ぶ楽しみが広がります。
コクと香りの層を楽しむならビール、軽快で喉越し優先なら発泡酒 -このシンプルな軸で冷蔵庫を設計し、銘柄の個性を横断的に試してみてください。
Repubrewでは、こだわりの原材料をふんだんに使用した個性豊かなビールを数多くラインナップしています。 クラフトビール初心者の方から玄人まで、きっと満足できること間違いなし! ぜひ、一度公式サイトを覗いてみませんか?



